『造園家中根金作の軌跡』が湖西市ふるさと納税返礼品に登録
遠州生まれの造園家中根金作が幼少のころから晩年までの造園家人生をつづった自叙伝「わが青春」とその実績を書籍化した『造園家中根金作の軌跡』が、このたび湖西市ふるさと納税返礼品となりました。なぜこの地から中根の本が新たに出版されることになったのか?それには理由があります。
遠州磐田市出身の中根が手掛けた日本庭園作品が旧新居町に存在していたことは平成10年に開催された浜松市美術館の企画展で公に明らかにされました。ところが当時は、中根が旧新居町の広域なまちづくりに関わっていたことまでは、明らかになっていませんでした。 日本庭園の作庭で世界的にも名をはせている中根ですが、新居町では、50年代に進んだ町制90周年事業、100周年事業のインフラ整備のための根本的な緑のまちづくりの見直しも含めた「緑のマスタープラン」の実行計画や設計、監理に長年にわたり中根が関わり続けることになりました。都市の中の庭園や公園単体ではなく、中根が歴史都市「新居町」の全域整備に関わったことが、最近になって、明らかになったことに端を発しています。
町内の緑地景観まちづくりは、中根によって全面的に見直しが行われ20年以上にわたり町が整備されていきましたが、その中には特別史跡を含む文化財景観の見直しや古い街並み景観の整備、公園設計や既存公園のみなおし、浜名湖につながる浜名川の浄化を含めたシーサイドニュータウン構想など観光都市を意識した多様な整備が、中根の手によりおこなわれてきた経緯があります。旧新居町は交通の要衝ともいわれた歴史都市。中根の長年の日本庭園分野での文化的な実績や経験が、当時の旧新居町では大いに受け入れられ、中根にまちづくりの根本指導を長年仰いでいたことがその理由でありました。
『造園家中根金作の軌跡』は中根が広域なまちづくりも行っていたことを含めて、中根の造園家としての軌跡がわかる書籍となっています。最近まで知られていなかった故郷遠州の緑地景観まちづくり。中根が広い視野でまちを俯瞰して歴史都市のまちづくりをも行っていたことを知ることができるのがこちらの書籍です。